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波と文学

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好きな女の子に想いを告げに行く途中で国道を渡ろうとしてトラックに轢かれて国道どころかあやうく三途の川を渡りかけた友人がいる、それ以来、彼は18歳のままである正真正銘の、forever young(実年齢はそろそろ四十か)。


その彼が、詩を書いて持ってきた。


とはいえ本人にそれが詩であるという自覚などはなく、ただ黙々とありのままの日々の怒りと喜びと性欲と怨念と感謝と幻聴の言葉に過ぎないのだが、それは紛れもなく詩であり、そうして、僕は、それらの言葉の生々しさとか、不細工な愛とか、薫る憎悪とか、いびつな想いとか、完璧な行為や、底の見えない哀しみと希望に、彼の閉ざされたままの青春と続く現実に、完全な詩に、僕は、泣いてしまった。僕は。途方に暮れて。僕はそれらの詩の内側に吸い込まれて、回転して吐き出されて疾走した。





お前はたしかに狂っているけれど、世界はもっと狂っているから、その狂いは丁度いい狂い。



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