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波と文学

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愛絡まって。

           


海辺でぬるい風に晒されながら遠く霞みの果てにある甑島を眺めていると、
まったく知らない爺さんがまるで昔からの馴染みのように話し掛けて来て、
終わりの無い世間話が始まったのだがそんなこと、ここいらではよくあることだ。
冥土の土産に付き合ってやるのが、まっとうな青年の優しさ、そうして、
爺さんも爺さんになったに違いない。その後、散歩をゆっくりと堪能して帰宅して本を読む。
と、同時に風呂釜に湯を張り数分を待ち、本を片手に湯船へ。
悠々と読書しながら身を清めて温めて水と言葉の惑星を愉しみ、
風呂から上がり珈琲を淹れる。妻はまだ夢の中に居て。


引っ越して半年が過ぎたのだが休日の始まりはいつも変わらない。
僕は随分とこの暮らしを気に入っている。
妻も一見気に入ってはいるようなのだが、
喧嘩のときにたまに「やっぱり私は街で暮らしたい」とごねたりもする。
そんなときは穏やかに笑い、
抱きしめて頭を撫でてやれば済むはずなのだがついウッカリこちらもムキになってしまい、
売り言葉に買い言葉で西方は地獄と化す。


これじゃ駄目だなといつも思う。
どこに居ても仲良く出来るし、
どこに居ても喧嘩してしまうのが夫婦なのだ。愛絡まって。








 
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