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波と文学

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僅かな不安を靴の底に踏みつけて

            

10代の頃、何かで読んで記憶の淵にこびりついたエピソードがある。それは古いアメリカの話だ。

とある白人の青年が黒人に暴力をふるい、
「すべての黒人はアメリカから出て行け」などと過激なことを言った。
青年は警察に捕まり裁判にかけられるのだが、
その青年についたのが腕利きの“黒人弁護士”だった。

「この青年の言っていることを肯定するわけにはいかないが、
この青年がこれを言う権利は、全力で守るつもりだ」

15年以上前に読んだ話で、
正確に覚えているわけではないのだが、
個人的な“尊厳”を汚されても、
その大いなる「自由」を守るという黒人弁護士の姿に、子供ながら猛烈に感動した。


それと似たようなことが、いま日本で起きている。
スピリッツのその漫画は読んだことがないから詳細は知らないが、
政治家が口を挟むほどの問題ではないだろう。
相変わらず阿呆め。ひょっとこめ。
それならば、政府として、しっかりとした「安全」を提示し、
僅かな不安を靴の底に踏みつけて暮らしている民衆の得体の知れない「恐怖」を取り除くべきだ。ひょっとこめ。

はっきりとしない真実を置き去りにしたまま窮屈な感情に支配されてぎゃぎゃぎゃと騒ぎ、
一人の言論を封じ込めようとする偽りの「正義」を装った愚行にも映る。


何があろうとも、「表現」を殺してはならない。その一点において、
僕たちはどこまでも自由であるべきなのだ。

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