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波と文学

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滴に映る月の顔を見ろ。


写真家であり、詩人でもある友人に誘われて、鹿児島詩人協会が毎年発行する「鹿児島県詩集」に僕の詩も載せてもらえることになった。と、書けば、まあ!なんて光栄なことでやんしょ!こいつぁ春から縁起がいいねえ!さすが漁村の天才!なんつー気がしないでもないが、どうやら手前で勝手に詩人を自称して後は金さえ払えば割と自由に掲載させてもらえるようなので浮かれるほどのことでは無い。とはいえ、自分が詩を書く時は言葉にすることを意識して文字というよりは音をイメージした創り方をしている。大勢の詩人が綴る言葉に並んで一冊の本の中にそれが収まったときに、どんな味や色を生み出しているのかがとても興味深いのである。


只今、東京時代の友人が我が家に滞在しており、丁寧で、美味しい料理を毎晩振る舞ってくれている。巷に溢れた小奇麗でベジベジしていてヘルCが取り柄の女々しい料理とは一線を画す舌と胃袋のスタンディングオベーションを毎晩。年末年始を越えた蛸業は徐々に平熱に戻りつつあり、休みも従来通り貰えるお陰様で友人と遊べる時間を多く取れることが有り難い。とはいえ、携帯電話にメモされた一週間の予定を見てみると割と牛牛である、自分で詰めたスケジュールとはいえコレについてはモォ不服である。僕は誰よりも暇を愛している。大いなる暇を持て余したい。最近、忙しいんスよ~なんて言うと「ありがたいことですね!」なんて返すヤツらが一定数存在する。コイツらは頭はおかしいんではなかろうか、脳に小蝿でも埋まっているのかと眉間に皺を寄せて割と真剣に思っている。労働であれ私事であれ、忙しいことが有り難いわけがないのだ。よく考えてみてくれ、日がな何もせずにのんのんと地球の空気だけ吸って口笛でも吹いて、それで金が空から舞ってきて贅沢でなくても人並みに暮らすことが出来れば、ありがたいことですね!つまり、

僕は君が思っている以上に、

何もしたくない。
コタツで寝転び本を読み、
飼ってもない猫の名前を読んでみたり、
妻の突拍子もない誰かの悪口に耳を塞いだり、
作りかけの詩について、考えていたいだけなのだ。




ハハハハハハ、
さもなくば、タフであれ。拡がれ、届け。
伸びてゆけ、集中しろ、
執着しろ、筆を奔らせろ、脳髄を沸騰させて、狂え、隠れるな、大袈裟に笑え。
そして、

夜の雑草が静かに落とす滴に映る月の顔を見ろ、2015年1月。



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