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波と文学

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誰かの心に触る角度で、




【誰かの心に触る角度で、】



ほとんどヤル気のない状態、
うわのそらを泳ぐサカナ、
散ること忘れたブーゲンビリア、
まどろみに登る猿、
昇らない月、
笑わない赤子、波のない海、
列からハミ出た蟻とか、
瓶から零れた珈琲豆の気持ち。
今日も縦のせんをゆく気楽な人民の群れが、
眉間の皺を撫でながら、
HOW TO 口笛忘れたおれ指差して、
肉を焼く。そうして、
白目でカルビを奪い合っている。
ほとんどヤル気のない状態の私、
その様子をこちらから眺めて、
人民の、群れにこちらから手を振る。
いつまでもいつまでも、
千切れるくらい、
どこまでもどこまでも、
泣きながら笑い、
誰の記憶にも残らない覚悟と、
誰かの心に触る角度で。

いつか
あやふやな始まりと完璧な終わりと
ふわふわの猫と完璧な光と
ぐったり疲れた完璧な夜にみる
夢の真ん中に完璧なソファを置いて、
もう一度、生まれて初めて見る海の上で
踊る光に目を細めて、
HOW TO口笛思い出すのさ、
ほとんどヤル気のない状態のまま。


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