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波と文学

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或いは、これは反戦歌。

陽気にそそのかされて、釣りがしてえなあと呟いてみるも、近所の海で、今までろくに釣れた経験はなく、どうせ、ボーッといつも通り阿呆の顔して海辺の独りぼっちになることはわかっている。目の前を泳ぐ魚が嫌らしい顔で私を見上げて皆で笑う。となると、手元の竿の存在も煩わしくなる。餌代も勿体無い、あの箱も重いし。こうなりゃいっそ、手ぶらで行くかとなる。



妻からどこに行くの?と聞かれる。
私は釣りに行くと答える。


手ぶらで?

手ぶらで。



このように、
いつまでも、
世界が平和でありますように。
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春の訪れ



休日、窓を開けて掃除をしているとツバメが二羽、室内に入ってきて天井付近を飛び回った。


ツガイかね、ハハ、仲の良い奴らだの。ウェルカム,マイプレイス、ハハ。良い良い、良い春ですのんハハハ。と、ぬるい微笑みを浮かべた次の瞬間、鳥の野郎、我が家の廊下に大粒の糞を撒き散らしやがるから焼き鳥にして裏の大家に食わしたろかい!と、ロンTの袖、まくりながら立ち上がる俺。

散りばめられたお米粒



交差点を右折中の私を、命知らずが後ろから抜こうとして案の定、抜けられるわけがなく私の脇腹に突っ込んで来た(猿でもわかる)。翌日、病院に行き、ドクターから「安静にしておくように」と言われて1週間の養生休暇をとったのだが、その時にドクターのお口の周りに散りばめられたお米粒が気になって気になって仕方なかった。

「こいつぁツッコミ待ちに違いねえや!」と勘繰ったのだが、
ここで下手うってドクターライスのプライドを傷付けて、機嫌を損ねて、
「癌ですね」などと虚偽の宣告をされては困ると、我慢した。

ドクターライスは真剣な表情で怪我の説明をしてくれていたのだが、
まるで耳に入ってこなかった。
結局、私は大丈夫なのだろうか。今夜も、不安であるライス。


金星以外全嘘。



朝からとりあえず、お金落ちてないかな、と下を向きながら太陽を背に、北に、向かっていたら挙句、熊本に辿りついてしまいお金落ちてなかったし首痛し。南東の空で消えずにいつまでも残っている飛行機雲を指さす阿呆そうな顔をした子供が、3号線沿いの川に居た。うぐいすの鳴き声が聞こえる毎に休憩をとるルールを考えついた。途中、日奈久で見知らぬ老夫婦にちくわを買ってもらった、御礼にトランプマジックを披露すると大変喜んでくれた。見知らぬ老夫婦にいきなり「私にこのちくわを買ってください」と頼むのはさすがに勇気が要った。国道とはいえ、峠は寒い。震えながら、のぼーってく、ファイト。





69



まいにち人並みにせっせと暮らしている。あまり、怠けていない生まれてはじめての私、しかし、近頃、どうも、どんならん。どんならんのです。足のつま先から頭のてっぺんに抜けるスコーーーーーンがまるでない日々。この違和感からくる爽快感の喪失たるやどんならん。喋れども喋れどもつきまとう責任感のような固まりをひょいひょい交わしたい欲望とリアル、理想とバランスとか。こらどんならん。ホームセンタのトイレで足下に丸まって落ちていたチラシを広げてみると最初に目に飛び込んできた文字が「ぶなしめじ 69円!!」だったなんつって春咲き乱れる。