忍者ブログ

波と文学

Home > ブログ > 日々のこと

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

アイラヴ肉とプリントされた馬鹿しか着ないTシャツ。

「アイラヴ肉」とプリントされた馬鹿しか着ないTシャツを着た青年がタコ焼きを買いに来たのだが、やけに肩幅が広く、ははん、これはアレだなと思い、


「お前、水泳選手だろ?」と聞いてみた。

「いいえ、中パです。(中越パルプの通称)」と即答する青年。



「うそつけ、水泳選手だろ?」と僕、

「中パです」と青年、

「水泳選手!」

「中パです!」

「水泳選手!」

「中パです!」


「じゃ、百歩譲って、趣味が平泳ぎだろ?」と僕。

「いいえ、音楽鑑賞です」と青年。


趣味が音楽鑑賞てな、ほとんどの場合、そりゃただの暇潰しだ、しっかり生きろよ、たまには野菜も食べなさい。と僕。

「はい!」と、青年。


そんな不毛なやり取りを楽しんだ正午。
妻はちょうど、生まれて35回目の今日を過ごしているというのに。
PR

塩コショウはかく語りき




誰だって年に1度や、2度、命に変えても焼き鳥が食いたい。と、思う日がある、僕にとっては昨日がそれだった。

焼き鳥屋に行き、たこ焼きをチラつかせながら物々交換を提案する。承諾を得る。ゴリラに似ている売り子だからバナナの方がいいかなと迷ったのだがたこ焼きにして正解だった。丁度食いたかったんスヨとゴリラに似ている売り子は言った。ゴリラだって年に1度や、2度、命に変えてもたこ焼きが食いたい。と、思う日があるのかもね。

メニューはお任せで塩コショウを5本、タレを5本頂戴したのだが、鳥モモの塩コショウversionがやけに美味くて、しかも、それは塩コショウが美味いのではなく、塩コショウの量が、つまり鳥モモと塩コショウのハーモニーが鮮烈に美味くて感動した。その時、このゴリラ似、もしや?と思いゴリラ似のところに戻り「君さ、料理、好きでしょ?焼き鳥とかじゃなくて、料理ね。晩御飯とか、自分で作るの好きでしょ?」と聞いてみた。ゴリラ似は言った、


「休みの日は、ほぼ料理しかしてないってくらい、料理は好きッスね、もう趣味とかそんなレベルじゃなくて」



やっぱりね。



「でも、なんで急にそんなこと聞くんですか?」


「いや、塩コショウがね。塩コショウがぜんぶを教えてくれたのさ」




照れ臭そうに笑うゴリラ似を見て僕は木ごとプレゼントしたくなった、バナナを。

今日は急いで帰宅しようと思った。

ウーパールーパーは飼っている容器の大きさに合わせて成長するという話を聞いたことがある。大きな容れ物で飼えば、大きく育つということだ。

今日、ひょんなことから靴下を持って家を出て職場で履くことになった。いつもは自宅から履いて出るのだが、ひょんな時に限って、靴下が両方とも右足用だった。(僕は5本指靴下が好きで、このタイプの靴下しか履かないから両方とも右足用ということは最低最悪ということである)

素足で仕事して蒸されて臭くなるのは御免だ、仕方がねえ、履くかと、観念した。






親指は割りと問題なく馴染むけどやはり小指が空白をもてあそんでいる。物足りなさの主張が効いている。そのうち、小指が靴下に合わせて太くなってきそうな気がして、今日は急いで帰宅しようと思った。



世界がじわりとまた広がる音。

覚めかけた夢のあっちから三吾の声が聴こえてきてそれはいつもより少し早い気がした。枕元の携帯電話に手を伸ばし、半分しか開かない目で時間を確認すれば午前5時、良美の向こう側で三吾が泣いている。

良美に声を掛けたのだが、私は低血圧であるがゆえに朝は無理なのだ、何とかしてくれ。と、目を閉じたまま堂々と言いやがる。外はうっすらと明るい、頑固な三吾は泣き続けて、頑固な良美は寝続けて、仕方がない。私が起き上がり三吾を抱き抱えて一階に行き、オムツを代えることが私たち3人に残された道である。眠いけど。

オムツを代えてやると三吾の機嫌は直ったのだが寝るつもりはないらしく、散歩に行こうぜ、という顔をして抱っこをせがんでくる。可愛い。眠いけど。


午前5:45。散歩に出掛ける。
近所の丘のうえにある牛舎へ、牛らもちょうど目覚めの時間らしく私と三吾に気付いて重い身体を揺らしながらこちらにやって来る。三吾にとっては初めての、牛との遭遇。独特の香りと雰囲気の中、ビビるかなと思いきや相変わらずの落ち着きをもって、物怖じせずジッと牛の様子を眺めていた。モォーーーーという鳴き声に包まれて、彼の世界がじわりとまた広がる音が聞こえた気もして。







その後、海辺を歩いて帰宅。寝ている母親のもとに連れて行き乳を飲ませれば寝ると思っていた午前7時、いとも簡単に思惑は外れて。この通り、








今日も三吾は元気である。

今日も世界が平和でありますように。


春風に揺れる。

近頃、この辺りの空間線量(by原子力規制委員会)も落ち着いてきた。その日の天気と同じように、その日の放射線量を気にするなんて、僕らが子供の頃に描いていた未来とは程遠い未来が到来しているがこれもこれで未来っぽい、とも思う。網の目状に散りばめられた便利と快適の上、幸福な暮らし、現代科学の結晶とその代償。ん?幸福ってなんだ?


発電所のあるこの町と50km離れている鹿児島市の空間線量はほとんど変わらない。桜島の灰からも放射線って出てるのかしら?とか思っちゃうよね。安全な場所なんて無いよ、本来、人間にも備わっていたはずの野生的な感覚ってゆーの?便利と快適を、貪欲に追求するその前の時代の勘繰りと感覚を、呼び覚まして鋭く、笑顔で暮らすしかないのかもねこの未来的日々を。明日も。春風に揺れる猫の、ヒゲみたいにさ。